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レンズ研磨

代表的な光学部品であるレンズは大小含め、凹凸や様々な形状、仕様のものがあります。このレンズの製造工程では必ず研磨が必要となります。一般的にはレンズ研磨の工程は次の手順で進みます。

まずレンズの表面に曲率(レンズの凹凸のカーブのことです)をつけるために、カーブジェネレーター(もしくはカーブゼネレータ、CG)と呼ばれる機械に取り付け、専用のダイヤモンド工具で曲率をつけていきます。この際に使われるダイヤモンド工具は、電着砥石と呼ばれるものか、メタルボンドを用いたカップ型のダイヤモンドホイールになります。カップの縁部分に砥石がついており、先端部は丸みを帯びた工具で、このカップ砥石とレンズがあたる角度を変えることで、様々な曲率(カーブ)をレンズ表面に作り出すことができます。

この工程は一般には、荒摺りと言われる工程です。

次に、粗くカーブを付けた部分をさらに精度よく仕上げるための「精研削」と呼ばれる工程が入ります。これは研磨皿と呼ばれるお椀のような形状に、ペレット状でカーブがつけられた砥石が多数ついた工具を用いて行います。レンズの曲率だけでなく、厚みもここで調整していきます。なお、お椀状の中に多数のペレットが接着されている研磨皿ですが、ペレットの表面につけられた曲率(カーブ)はどれも微妙に異なっており、凸レンズもしくは凹レンズの形状にあうよう絶妙に配置されています。 なお、この工程でペレットではなく、研磨皿に研磨砂(セリウム等の研磨材)を用いて研磨パッド(ウレタンやスウェード等)を使って磨く場合もあります。

このあとにレンズの世界で言う「研磨」、ポリッシングともいいますが、この工程により面を仕上げます。研磨ではさらに目の細かい(粒度の細かい)研磨砂を使って、磨いていきます。研磨パッドもよりやらかい素材のものを使います。検査ではニュートンリングの形状などで曲率がきちんと出ているか見ることができます。

この研磨工程のあとに染色、洗浄やコーティングなどを経て、実際のレンズとして製品化されていきます。

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