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ガラス研磨

ガラスの研磨は、主に端面や縁などにたいして行われるものと、ガラスの面に対して行う平面研磨とがあります。またガラスの形状には、板ガラスだけでなく、球体のものや、レンズなどの曲率のあるもの、プリズムなどの光学部品、理化学用の部材、照明器具などがあります。また窓ガラスについた汚れのうち、洗剤では落とすことが出来ないものをガラス研磨によって落とすという製品もあるため、そうしたものも含めると、ガラス製品の製造で必要となる工程と、それらガラス製品のメンテナンスで必要となる研磨という分け方も出来ます。

製造に用いられるガラス研磨

ガラスの研磨に用いられる研磨材として多いのは酸化セリウム(CeO2)とダイヤモンド砥石です。酸化セリウムは主にラップ研磨やレンズ研磨で使われますが、光学用の部品で研磨が必要なものには、どこかの工程で使われていることが多い研磨材です。純度の高い単体の物質として販売されているというよりは、研磨用のものは液体研磨剤や、固有の製品名で販売されています。研磨に用いる場合は、純度や不純物の構成、結晶構造、製法だけでなく、粒の形状が重要となります。

ダイヤモンドをガラスの研磨に用いる場合は、ペーストやパウダーになっているものを研磨材として加工しようとしているガラスにかけて磨いていく方法のほか、砥石形状になっているものを使って、ガラスの面取りや平面研磨を行う場合があります。砥石の形状になっているものは、ダイヤモンドの量が多すぎるとガラスの表面をダイヤが滑ってしまい、思うように表面が削れないことがあります。このため、ガラス加工用の砥石はダイヤの量が金属用などと比べると少なめに設定されていることがあります。砥石のボンドとしてはレジン、メタル、ゴム、電着などがよく使われます。

ガラスは硬い素材ですが、同時に割れやすくもあり、研磨する場合、決して簡単な素材ではありません。特に工業製品に用いるガラスはわずかな欠け(チッピング)があると不良品として検査を通過できませんので、原因を突き止め、改善する必要があります。最終研磨に至るまでの工程が長いため、どの工程が原因となっているかを

水垢やスケール除去のためのガラス研磨

一方、汚れを落とすためのガラス研磨の場合、主として研磨しなければならないほどの汚れというのは「水垢」や「スケール」「うろこ」などと呼ばれる白い汚れのことです。これは水分中のミネラル分(カルシウムやマグネシウム塩など)が固まった汚れで、洗剤などでは容易に落とすことができません。水が付着と乾燥を繰り返すようなところであればどこにでも発生する汚れで、雨水でも起きます。ウロコ状に成長してしまったスケールは擦ってもとれず、洗剤や薬品でも除去するのが難しくなります。こうした水垢などを除去するのに使われるのがダイヤモンド砥粒を含有した砥石や研磨材です。

研磨は加工しようとしている対象に微細な傷をつける行為であることと違いはありませんので、粗い砥石を使うと、水垢やスケール等の汚れが付着している部分以外は細かい傷がついて擦りガラスのようになってしまうことがあります。こうした理由から、ガラスの水垢取りに使えるダイヤモンド砥石には専用のものがあります。

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